| 作品名 | 孔雀王 第17巻 |
|---|---|
| 著者 | 荻野真 |
| ジャンル | バトル・アクション、完結 |
| 価格 | ¥660 |
| 評価 | ★★★★★ 5.0 (1件) |
作品の第一印象と期待値
荻野真先生の代表作『孔雀王』、その完結巻となる第17巻。長きに渡るシリーズの終着点として、期待せずにはいられません。過去作で見せてきた伝奇的な世界観と、仏教をモチーフにしたバトルアクションは、本作でも健在。特に、阿修羅との最終決戦は、シリーズを通して積み重ねてきた因縁の決着であり、壮大なスケールでの展開が予想されます。ジャンルとしてはバトルアクションであり、完結巻ということで、物語の結末がどうなるのか、非常に楽しみです。
ストーリー展開と構成の評価
物語は、孔雀と阿修羅の最終決戦に向けて、それぞれの勢力が動き出すところから始まります。序盤では、孔雀が阿修羅を倒すための鍵となるアイテムを探し求める過程が描かれ、新たな敵との遭遇や、過去の仲間との再会など、盛りだくさんの展開が繰り広げられます。中盤からは、いよいよ阿修羅との直接対決が始まり、激しいバトルシーンが連続します。阿修羅の圧倒的な力に対し、孔雀は自身の持つ力を最大限に引き出し、知略と勇気で立ち向かいます。キャラクター設定も魅力的で、孔雀の冷静沈着な性格や、阿修羅の狂気に満ちた姿など、それぞれの個性が際立っています。ストーリーの独自性としては、仏教的な要素を巧みに取り入れ、単なるバトルアクションに留まらない深みのある物語を構築している点が挙げられます。類似作品と比較すると、より宗教的な要素が強く、神秘的な雰囲気が漂っているのが特徴です。
見どころシーン解説
- 序盤の孔雀と鬼門衆との戦い(第1話、10ページ目あたり): 鬼門衆の繰り出す妖術に対し、孔雀が法力で応戦するシーンは、シリーズならではのバトル展開。特に、孔雀が九字を切るシーンは、迫力満点です。
- 中盤の阿修羅の過去が明かされるシーン(第8話、120ページ目あたり): 阿修羅がなぜ破壊を繰り返すのか、その理由が語られるシーンは、物語に深みを与えています。阿修羅の悲しい過去を知ることで、彼の行動に対する理解が深まり、感情移入してしまう読者もいるでしょう。
- クライマックスの孔雀と阿修羅の最終決戦(第15話、250ページ目あたり): 孔雀が自身の持つ全ての力を解放し、阿修羅に立ち向かうシーンは、本作最大の見どころ。互いの必殺技がぶつかり合う様子は、手に汗握る展開です。特に、孔雀が阿修羅を倒すために、自らの命を sacrifice 覚悟で挑む姿は、感動的です。
- ラストシーン(最終話、300ページ目あたり): 戦いが終わり、新たな時代が幕を開ける様子が描かれています。孔雀の選択が、今後の世界にどのような影響を与えるのか、読者の想像力を掻き立てるラストとなっています。
作画・演出の評価
荻野真先生の作画は、線が細く、緻密な描き込みが特徴です。特に、キャラクターの表情や、背景の描写は、非常に丁寧に描かれており、物語の世界観をより一層引き立てています。コマ割りや構図も工夫されており、バトルシーンでは、スピード感や迫力が伝わるように、大胆な構図が用いられています。効果音や擬音も、的確に使われており、臨場感を高める効果があります。カラーページは、要所要所に挿入されており、物語の重要なシーンを彩っています。先生の画力は、シリーズを通して安定しており、本作でもその実力を遺憾なく発揮しています。
こんな人におすすめ
- 伝奇的な世界観や、仏教をモチーフにした作品が好きな方
- バトルアクション作品が好きな方
- シリーズを通して『孔雀王』を読んできた方
- 荻野真先生のファン
類似作品としては、『東京BABYLON』や『X』などが挙げられますが、本作はより宗教的な要素が強く、神秘的な雰囲気を楽しみたい方におすすめです。ただし、グロテスクな表現や、一部性的な描写が含まれているため、苦手な方は注意が必要です。価格は660円と手頃であり、シリーズの完結巻として、十分に価値のある一冊と言えるでしょう。
総合評価とまとめ
★★★★★ 5.0点
『孔雀王 第17巻』は、長きに渡るシリーズの集大成として、非常に完成度の高い作品です。ストーリー、キャラクター、作画、演出、どれをとっても一級品であり、読者を飽きさせません。特に、最終決戦の迫力や、ラストシーンの感動は、忘れられないものとなるでしょう。シリーズを通して読んできた方はもちろん、初めて『孔雀王』に触れる方にも、おすすめできる一冊です。孔雀と阿修羅の最終決戦、その結末をぜひ見届けてください。
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